『ソード・オラトリア』を読むには
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プロローグ
10巻の最後にアイズのつらい心境が描かれていましたね。
”私には『英雄』は現れてくれなかった”という悲しい気持ち。
ウィーネにはベルという『英雄』が現れたことに対する「ずるい」という嫉妬心。
その気持ちを抱きながら、ベルと猛牛の戦いを観ていました。
3か月間に見たミノタウロスとの一戦と同じでしたが、ベルの「冒険」に対して胸が高鳴りません。
考えているのは「あの少年は今、何を思って戦っているのか」
けれどその答えは出ません。
ただわかっているのは、またベルが強くなって、また更に上の段階をめざして走り出すことだけ。
それを思ったときに「自分はベルのように強くなれるのか」「私も走り出すことができるのか」と苦悩します。
そんな事態になったら自分はどうすればいいのか途方に暮れてしまいますよね。
そして焦ります。どうしようもない焦燥感に押しつぶされそうになりますよね…
一章「だから私も走り出す」
ホームに戻った【ロキ・ファミリア】。
大食堂にはほぼ全団員が集められます。
そこでフィンは武装したモンスター『異端児(ゼノス)』と結託することを告げます。
団員たちは困惑する者や糾弾する者が続出します。
そこで第2軍メンバー筆頭のアナキティが、モンスターによって家族や恋人、仲間を奪われた人たちがいるのに信じろというのかと冷静な質問がフィンにされます。
アキはフィンの虚偽のない意志を認め、それに倣って団員達は『異端児』との結託という事項に気持ちが傾いていきます。
自室にこもっていたアイズをリヴェリアが訪れます。リヴェリアはアイズの事件以降の様子を気にかけていました。さすがママ。
そんなリヴェリアに「英雄は、いるのかな?」とアイズが問いかけます。
その問いにリヴェリアは「英雄を待つ者は朽ちる」そして「見つけてもらえるのは一握り」と返します。
自分のたった一人の英雄に出会えるなんて奇跡に近いようなものですもん。
その事実を認めなきゃいけないけど、認めたくなかった。認めるための一押しをリヴェリアにしてもらいたかったんじゃないかなと思います。
そしてアイズは、モンスターを斬れなかったこと、自分とあのモンスターが同じみたいと思ったこと、そして自分自身との約束を破ってしまったことを話します。
アイズのその様子に、リヴェリアは心を痛めます。アイズの過去を知っているリヴェリアには今、彼女がどれだけつらい思いに耐えているのかわかっていますからね。
副団長として、迷いがあるな人造迷宮攻略からアイズを外す、と厳しいことを伝えますが、
リヴェリア個人としてはアイズの迷いを歓迎し、納得するまで考えること、そしてアイズはもう一人ではないということを伝えます。
そのリヴェリアの言葉にアイズの不安が和らいでいきます。
そして極めつけはリヴェリアの「…私は、その…お前を愛している」という言葉。
【ファミリア】って本当に家族のような温かい絆で結ばれているんだな~
そしてアイズは翌日の早朝、オラリオ北西の巨大な市壁へ行きます。以前ベルと特訓した場所です。
ベルはそこにいました。
ベルは以前と同じようにアイズに言います。
「僕……強くなりたいです」
その言葉はアイズの心に強く響きました。
急速な成長を続けるベルですが、さらに上を目指して走って、強くなって大切なものを守りたい、追いつきたいと思いが込められていて読者の私の心にもすごく響く言葉です
二章『決戦インターミッション』
ベルに会った後、その足でアイズは【フレイヤ・ファミリア】のホームに訪れます。
目的は強くなるために【猛者(おうじゃ)】オッタルに弟子入りするためです。
オッタルに訓練してほしいとフレイヤにお願いすると、すんなりとOKを得ます。
ですが訓練を許す代わりにアイズに『借り』を一つ負わせます。
***
ヘルメスはウラノスとフェルズの元を訪れていました。
要件は人造迷宮攻略からベルたち【ヘスティア・ファミリア】を遠ざけてほしいということ。
「こんな殺伐とした戦いに巻き込みたくない。今はまだ」
三章『神の素顔』
デュオニソスとフィルヴィスは『冒険者墓地』でロキと護衛でついてきていたレフィーヤに会います。
そしてロキに人造迷宮攻略に参加させてくれと申し出ます。
その申し出をロキは了承します。
墓地から街に戻ると、デュオニソスが街のみんなに親しまれていることを見せつけられるロキは半分呆れて「意外やな」と口にします。
みんなが笑顔で、そして自分を慕ってくれてそれが幸せだというデュオニソス。
そして『オルギア』を起こそうとする者がいると神々の言葉を口にします。
オラリオ崩壊後に訪れるのは『オルギア(狂乱)』。
住民たちがモンスターに食い荒らされ、モンスターに蹂躙される世界になってしまいます。
だからオラリオ崩壊はなんとしてでも避けたいのです。
そんなシリアスな場面から一転、バイトに遅刻しそうになるヘスティアが叫びながらやってきます。
ロキは初めてヘスティアとデュオニソスが同郷だということを知ります。同時にヘスティアからディオニュソスが『発作』をおこし、神々の殺し合いをさせようとしていたということを聞きます。
ロキが帰ったあと、レフィーヤはフィルヴィスと会っていました。
クノッソスを無事攻略し、レフィーヤの故郷『ウィーシェの森』へ行くことを約束し合います。
***
毎日早朝から夜中までアイズに訓練をつけていたオッタルはアイズが対人戦には向いていないと告げます。アイズの剣は「怪物を殺す剣」だと。
怪人レヴィスを「人」と見ている以上勝てない。
アイズはその言葉を突きつけられました。
さらにオッタルは言います。
一つ間違えればアイズ自身を滅ぼしかねない『黒い意思』を呑まれることなく、統べろと。
四章『アベンジャーズ』
【ロキ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】【ディアンケヒト・ファミリア】【ヘルメス・ファミリア】【デュオニソス・ファミリ】が人工迷宮攻略に突入します。
18階層アンダーリゾートには『異端者』たちが突入します。
順調に奇襲を仕掛けていきますが、イヴィルスたちは呪道具(カースウェポン)で応戦してきます。
このカースウェポンは前に【ロキ・ファミリア】の仲間を奪った憎き武器。
しかしアミッドの治癒魔法によって呪いが解除されます。
不意打ちを与える・そしてレヴィスをおびき寄せる目的の第5部隊のアイズたちの前に怪人レヴィスが現れます。
敵陣に切り込んでいる他のパーティーにレヴィスが現れた場合すべて失敗に終わる、という回避策でした。
ただ、レヴィスはこの作戦に気づいていました。
五章『迷執顕在』
バルカはクノッソスを崩壊しようと試みます。
タナトスの『神意』クノッソスを崩壊し【ロキ・ファミリア】を圧殺することを実行しようとするのです。始祖ダイダロスの『悲願』クノッソスの完成に背くことになるのに。
ヘスティアはど直球に裏表がない感じですが、それ以外の神って二枚舌なんですよね
しかし【ヘルメス・ファミリア】たちの奇襲で『崩壊』を唱えることは叶いませんでした。
バルカは『鍵』がないのに、【ヘルメス・ファミリア】がここにいるのか驚きます。
その問いにアスフィは「作りました」と。
あれだけ苦労して手に入れた『鍵』を作るって…なんだか10巻の苦労は何だったの…ってなってしまいます
バルカのいる広場に【ロキ・ファミリア】、【ディアンケヒト・ファミリア】が到着し、バルカはカースウェポンを自分に突き刺します。
その結果バルカは怪物に成り果てます。
カースウェポンの効果でバルカの怪物の血液の中には呪詛が含まれていてそれに触れると呪いにかかるというおまけ付き。
その呪詛はアミッドの治癒魔法で癒えるが回復が追いつきません。
フィンは絶望する者に本来の目的、タナトスを追い詰める、自分たちが怪物を倒すしかないと鼓舞します。
フィンがいなくなってしまったらホント全滅しちゃうよ…
六章『そして、神は笑った』
アミッドは「バルカの怪物」に向かって回復魔法をかけます。
回復魔法と言っても呪詛だけを取り除く回復魔法です。
MMOでヒーラーやってたことあるんですが、そんな分けて使うなんてできなかったよ
「バルカの怪物」から黒い汚れが消え、ラストアタックを仕掛けましたが、すでにバルカの怪物は事切れていました。
そして、バルカはようやくダイダロスの呪い開放されたのかな。「アミッドを恨んでいるかも」という記述もありましたが、救われた方へ一票ですね。そうじゃないとバルカが可愛そすぎる
バルカがいなくなり、タナトスは仮面の人物に『精霊の分身」を行使するよう命令します。
しかし仮面の人物は拒否し、タナトスにエニュオのために生贄になれといいます。
タナトス自身もエニュオの手のひらで踊らされていたのです。
***
その頃デュオニソスは単独で発見されていなかった分岐路に入っていまいた。
この先に『仇』がいると確信し、デュオニソスは怒りに満ちていました。
デュオニソスは『眼晶』で通話していたロキの静止を聞かず「フィルヴィスがいる」と言ってどんどん奥へ進んでいきます。
しかし、ロキから「誰と話している!?」と言われ初めて違和感を覚えます。
『眼晶』から聞こえる音を聞くと、近くにいると思っていたフィルヴィスが自分から離れたレフィーヤたちの部隊にいることに気づきます。
では、先程からデュオニソスの「いるな、フィルヴィス?」という問いに「はい、デュオニソス様」と答えていたモノはなんだったのか。
『闇』か歪み、混乱するデュオニソスの前一柱の神が現れます。
「すまない、ロキ」という言葉を残して、デュオニソスの、神の送還が起こります。
デュオニソスが送還されたことにより、【デュオニソス・ファミリア】の団員達はステイタスを封印されます。
ステイタスを封印されてしまった彼らは凡人と同じ能力に落ちてしまいます。
フィルヴィスはデュオニソスを失ったことで心を壊し、仮面の人物に凡人の身体で突っ込みますが、凡人の身体では怪人に敵うはずもなくレフィーヤの眼の前で首の骨を折られて、亡くなってしまいます。さらに、亡骸を食人花が喰らいつく。
フィルヴィスがようやく心を開いて、穏やかな生活に戻れると思っていたのにな。大森先生って鬼畜…こんなふうに彼女の生涯を終わらせてしまうなんて
レフィーヤはフィルヴィスの死で心を壊します。
同時に「神の送還」によってクノッソス内部が冒険者たちを飲み込む緑肉の化物に成り果てました。
次々と飲み込まれていく冒険者たち。
エニュオに騙されていたタナトスが自分の胸に短剣を突き刺し、神の送還の力で緑肉の行動を弱めロキたちに退路を作ってやります。
これだけ登場人物が一気に居なくなるってなかなかないですよね。喪失感が半端ないです。熾烈な戦いだったという印象付けの物語の進め方だったのかなと思いますけどね、なんだか悲しくなってくました
エピローグ
ロキとヘルメスはデュオニソスが誰かに操られて、そして生贄にされたということで意見が合致します。祭壇を起動させるには神の送還が必要ですからね。
手っ取り早く操らせて、送還させてしまおうというのがエニュオの目的だったのではと思います。
ロキはダイダロス通りでソーマに「神酒の匂いがする」と言われ、その神酒がワインであると教えられます。
デュオニソスのワインセラーへ行き、あるワインを見つけます。
そのワインは酒の神であるソーマが作る神酒を超えているほど極まっていて、「神でも酔わせられる」。
このワインでデュオニソスを酔わせて低迷状態にし、操っていた、という結論を出したロキ。
そしてエニュオの正体に気づきます。
エニュオの正体は?
ワインでデュオニソスを酔わせて操っていたということ、
そのワインはある神物の隣で飲んでいたこと
これらを合わせて考えるとデメテルがエニュオなのではないかと思います。
デメテルは豊穣の女神。
たしか前にデメテルは葡萄を扱っていたと言っていた気がします。
さらに、ガネーシャの神の宴でデュオニソスとデメテルは一緒にいました。親交が深く、容易にワインを呑ませることができたのではないか。
またギリシャ神話ではデメテルは結構エグいことをしているんですよね。
テッサリア王がデメテルの聖地の森を伐採したことに腹を立て、どれだけ食べてもお腹が満たされないようにして、最終的に自分の身体を食べさせて死に追いやったとか。
どうしてオラリオを破壊するのか、目的などはわかっていませんがエニュオの正体はデメテルが濃厚なのではないかと思います。
12巻で真相が明らかになってくれればいいのですが…。